ここではそのような人のためにジャイロボールがどういう球なのかを解説します。
■ どんな回転? ■
ジャイロボールは全部で3種類存在します。
1つ目は、回転軸が捕手方向を向いたもの(以後、純正ジャイロ)(写真1)。
2つ目は、非対称面と呼ばれる面が回転軸と同じ方向を向くもの(以後、2シームジャイロ)(写真2)。
3つ目は、1つ目の回転軸がやや利き手側に傾いたもの(以後、ジャイロボール)(写真3)。
これらのボールは似たような回転をしながら全く違う変化をします。
ではいったいどのように飛ぶのでしょう?
■ 各ジャイロの飛び方・特性 ■
純正ジャイロは、この中で最も初速と終速の差が小さいです。
その理由はライフルなどの精度・破壊力を要求されるものにも使われる進行方向に回転軸が向いた回転です。
この回転を純正ジャイロと言ったりするのですが、この純正ジャイロにはすごい効果があります。
それは、空気抵抗がバックスピンの半分以下!
つまり、単純考えると純正ジャイロの初速と終速の差は同速・同回転のバックスピンの半分以下なんです!
仮にバックスピンのボールと純正ジャイロの終速の差が「3km/h」あった場合、
たった0.1秒の間に純正ジャイロはバックスピンよりも約8センチ前に進みます。
これを内角や高めに投げられたら打者はたまったもんじゃないですね。
しかし、純正ジャイロには最大の問題点が存在します。
それは、上方向へのマグナス力が無いことです。
この純正ジャイロは、回転軸が正面を向いてしまっているためにマグナス力が無いんです。
しかも空気抵抗がほとんど無いわけですから、速度があまり落ちず重力による自然落下を起こします。
当然、打者や捕る側の人間からすれば、この純正ジャイロはほとんど高速フォークに見えます。
つまり純正ジャイロは落ちるボールとしてはすごい効果があると思われますが、
これをストレートと呼ぶには少々厳しいでしょう。
2シームジャイロは完全な変化球です。
純正ジャイロ、またはジャイロボールと同じ回転軸を持ちますが、回転軸の方向に来る面が違います(写真2)。
この面が回転軸方向に来ることによって、純正ジャイロやジャイロボールに比べて空気抵抗が約2倍に増えます。
しかも、空気抵抗の効果が現れ出すのが打者の近くに来てからなので、
投手が投げた時点で見破られることがありません。
なお、バックスピンのボールとのコンビネーションで打ち取れている投手がいるようですが、
2シームジャイロはジャイロボールとの組み合わせが最も効果があります。
ジャイロボールは別名:4シームジャイロと言い、ものすごく伸びているように見えるボールです。
当然ながら伸び具合は人によって違い、中にはほとんど伸びてないように見える人もいます。
基本的にジャイロボールと言う言葉はこのボールのことを指します。
なお、このジャイロボールですが、手塚一志氏の著「
魔球の正体」にもある通り、Xジャイロ
というオモチャが面白い飛び方をすることから「野球ボールもこう飛ぶんじゃないの?」という話になり研究が始まりました。
Xジャイロを投げることができるリリースの仕方でないと、ボールに十分な速度を持たせた上でジャイロ回転を与えることは困難になります。
ジャイロ回転を与えるリリースがどのようなものかを体験するのに、Xジャイロはまさに適している道具と言えるでしょう。
◆ Xジャイロについてはこちらからどうぞ
◆
魔球の正体についてはこちらから