あなたはピッチングフォームとピッチングモーションの違いについて知っていますか?
それ以前にピッチングにはピッチングフォームとピッチングモーションという2つの見方があることを知っていますか?
もし、すでにあなたが手塚氏の書籍を読まれているのなら分かることと思います。
ですが、そうでなかったらきっと分からないだろうと思います。
「そんなのどうでもいいじゃん」と思われるかもしれないですが、実はここが最も重要なのです。
この考え方を取り入れるのと入れないのとでは、まるで世界が変わってきます!
「なぜあいつは綺麗なピッチングフォームなのに肘を痛めたのか?」
「何であいつは変なピッチングフォームなのに肘や肩を痛めないのか?」
戦友(又は他人)の怪我の理由が分かるようになるということは、
あなたが自分の怪我を防ぐ力を身に付けたと同じです。
そして、このピッチングフォームとピッチングモーションの違いが分かるということは、
あなたが「怪我を防ぐ力」の土台を身に付けたということなのです。
それでは、それほど重要なピッチングフォームとピッチングモーションの違いを詳しく見ていきましょう。
ピッチングフォームということばが「形」・・・つまりピッチングの全体像を表すことばであるということはあなたも知っていると思います。
この「フォーム」という全体の形を表すことばに対して、
手塚氏が新しく(?)見出した「形ではなく動きを見る」という考え方から「モーション(動き)」という概念が生まれたのです。
この「モーション」という考え方では全体像は見ません。
あくまで、各部位の動きが正しいかどうかを見るのです。
ある中学校に投手を志すAとBが入学しました。
当然ながらその2人は野球部に入部し投手を志願しました。
しかし、Aは「コントロールが悪い」という理由で投手をさせてもらえませんでした。
一方、Bは顧問に気に入られ、投手になることが出来ました。
しかし、その後3年生になって引退する頃には、Aは160センチ以下の身長にもかかわらず、
120キロオーバーのストレートと多彩な変化球を投げられるようになりました。
それに、肘も肩も痛めることは全くありませんでした。
ですが、投手をやることは出来ませんでした・・・いや、出来なかったのではなくあえてやりませんでした。
なぜなら、野球部顧問の指導内容が分かるに連れてここでは投手をやりたくないと思うようになっていったからです。
一方、投手になることが出来たBは顧問の教えや巷にあるピッチング論にあるとおりと思われるピッチングフォームで投げていきました。
唯一何か普通と違うといったら、少年野球の投手のような投げ方だったことくらいです。
そして彼は・・・残念なことにずっと肘の怪我に悩まされ続け、
3年の3学期になった頃には手術をしないと野球が出来ないというほどにまでなってしまったのです。
一体、何がこの2人の人生を大きく変えたのでしょうか?
このような比較的スケールの大きい話になってしまうと原因は1つとは言い切れなくなってしまいますが、
Aは自分の動きを、Bは理論上の形を作っていったのが大きな原因だと思われます。
では、なぜ意識の違いだけでそれほどまでに違いが出てしまうのでしょうか?
それは、各部位の動きに対する意識の違いです。
数式で考えると分かりやすいかもしれません。
Aの場合は答えであるピッチングフォームからではなく、答えを導くための「1+1」に当たる部分から作っていきました。
Bの場合は答えのピッチングフォームから「1+1」に当たる部分を考えました。
数式で言えば「この程度のこと」と見えるかもしれませんが、これが野球となると話は変わります。
では、上の数式の考え方を踏まえて今からイチロー選手のスイングの真似をしてみてください。
あなたはどのような感覚でスイングをしましたか?
恐らく、バットがミートポイントにくる頃には体重が前の足に乗ってしまい、前の足が突っ張っているのではないでしょうか?
ですが、実際のイチロー選手はバットがミートポイントにきても体重は前の足にはありませんし、突っ張ってもいません。
前方に移動しながら打っていても重心だけは後ろの足にあるのです(実際にイチロー選手に聞いたわけではないのでこれがあっているかは分かりませんが、見た限りではこのような感じに見えます。)
では、まねをしているはずなのにこのような違いはどうして生まれるのでしょうか?
それは、さっきのBの考え方と同じ事をしていたからです。
つまり、あなたはイチロー選手のバットスイング時における各部のパーツの動きや力の抜け具合、
力をかける方向などの細かい部分を無視したままマネをしようとしたからなのです。
当然、このような似ている(?)だけのスイングをしたからといってイチロー選手のような「バッティング」を行うことは不可能です。
ではもし、あなたがイチロー選手のスイング時の各部のパーツの動きや力の抜け具合、
力をかける方向などを知っていてマネをしたとしたらどうなるでしょう?
初めのうちはなかなか思いどおりにスイング出来ないかもしれません。
ですが、素振りを重ねるうちに段々と本物のイチロー選手の「バッティング」に近くなってくるはずです。
上の例を見ても分かるとおり「形だけのマネ」と「動作のマネ」では、
その結果として出来る動作(ピッチングやバッティングなど)にかなり違いが出てきます。
そして、当然のことながら「形だけのマネ」では「動作のマネ」ほどのパフォーマンスを発揮することは不可能なのです。
また、形だけをマネした場合は体のメカニズムを無視した動作になってしまいがちで、そこから来る怪我は案外多かったりするものです。
例をあげるなら、肉離れがその一例です。肉離れは体のメカニズムに沿った動きをすればするはずのない怪我なのです。
まとめると、ピッチングフォームだけで考えると答えだけを見てしまうために、
そのピッチングフォームを形成している各部位の使い方や意識などを無視しやすい傾向にあります。
さらに、各部位の使い方や意識などの感覚を無視すると、
体のメカニズムに沿った動きになり難いので、パフォーマンスの低下や故障の原因にもなります。
それに対し、ピッチングモーションから考えると答えであるピッチングフォームは各部位の使い方や意識によって自然と形成されます。
これは自分のオリジナルになり、さらに調整などが簡単に出来るというおまけつきです。
また、ピッチングモーションから考える場合は自分に一番しっくり来る動作を選択していけば故障をする確率は低くなります。
少々わかり難い部分もあるかと思いますが、これこそがピッチングフォームとピッチングモーションの考え方からくる決定的な違いです。
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written by 卯月 : 2005/09/11
◆リンク先の道具を使うと、ピッチングが上手くなり過ぎるので見ないで下さい(`・ω・´)